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台湾語とは

目次

台湾は何語を話すの?

という質問を、数年前まではよく耳にしていました。昨今の台湾旅行人気やタピオカブームの影響もあり台湾に対する認知度が高まりましたが、「台湾=台湾語」と考えている人は少なくありません。確かに台湾語は日常的に使われています。しかしながら、公の場において用いる言語は【台湾華語】と呼ばれる北京語をベースとした中国語です。
一方で、台湾語しかわからない年配者も多く、台湾華語と台湾語の両方を使える世代が通訳したりすることもあります。また、台湾南部では若者の多くが台湾語を話せるのに対し、北部へいくに連れて使用頻度が低くなり、若者が台湾語をあまり使えないという現象も起きています。

台湾語とは

 1.台湾語の定義

 嚴格に言うと、閩南台湾語、広東系客家語と先住民の南島語等を含むべきですが,一般的には狹義である【閩南台湾語】のことを指します。口頭伝承が主であるため、文字をもたず、中国語(繁体字)の漢字を当て字として用いることがあります。また、以下で説明しますが、漢字以外の表記法としては【台湾閩南語注音符号】や【台湾閩南語羅馬字拼音符号】を用いて単語などを表記する場合もあります。

1.1.閩南方言

「閩」という字は現在、福建省及び中国東南部沿海地域の別名として用いられていますが,古代中国に於いては「東南越」地域一帯に住む土着民に対する名称でした。閩南方言は福建省の中でも厦門、泉州、漳州を中心とした沿岸地域で使われており、地域によって変化が見られるため統一した閩南語というものはありません。閩南語を使用する地域は、台湾、浙江省南部、広東省東部及び西部、海南省などがある他、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどにおいても華僑の間で話されています。

1.2.閩南語と中国語は別の言語?

閩南語は中国語の方言の一つに分類されます。諸説ありますが、その起源は黄河文明がおこった河洛地域で使われていた河洛語であるとされており、河洛地域に居住していた人々が長い年月をかけて福建省閩南地域へ定住し、閩南語として残りました。河洛語は商(殷)朝時代の官話であったため、河洛語を「商漢語」或は「古漢語」とも言います。
現代北京語は、漢語が五胡乱華以降に北方胡人の政治や軍事力の影響を受けて音調が変化したもので、音調の数が減っています。例えば、閩南語は7音(調)、唐朝官話が7音(調)であるのに対して、北京語は4音(調)です。このことから、古代中国語の漢詩を閩南語で詠むと韻律が更に正しく雅に聞こえるとされています。
古漢語が閩南語に残る例として「共」という字に着目すると、今日でも閩南方言において「共」は「一緒にする」、「伴う」という意味で用いられていますが、それは中古以前の文献に同様の用法で登場していました。文献中の“共”は元代以降消失していき、現代標準中国語(普通話)では、前置詞や接続詞としての用例はみられず、“共”は現代に至ると“和”に完全に取って代わられました。しかしながら、閩南方言の中には保たれてきました。閩南地域はさらに東西南北に分けられ、中国閩南地方・台湾・シンガポールなどにおける随伴前置詞はもはや“共”を使わず“合”を使うようになりました。このように、閩南方言でも地域によって違いが見られ、それぞれの地域において古い用法が残され、また発展してきました。

2.台湾華語、台湾語の注音符号の由来を探る

 【台湾華語】:台湾華語(台湾国語)と中華人民共和国が定める標準中国語(普通話)は、ともに北京語の音を標準音としていますが、使用する表音記号と文字は異なります。普通話では漢語拼音(ピンイン)と呼ばれる表音記号と簡体字を用いるのに対し、台湾華語では注音符号と繁体字を使用します。台湾語の表音記号は、台湾教育部(文科省に相当)によって公布された(一)【台湾閩南語注音符号】と(二)【台湾閩南語羅馬字拼音符号】の2種類があります。

2.1.台語注音符号

台湾教育部公布の「国語注音符号」及び、「台湾閩南語注音符号」によると、華語常用符号三十七個,台語常用符号四十五個,そのうち華、台語で共用する符号二十七個,台語専用十八個,華語専用十個、常用外符号が台語で四個、華語で二個、計六十一個あります。

華、台共用符号、二十七個:【ㄅ、ㄆ、ㄇ、ㄉ、ㄊ、ㄋ、ㄌ、ㄍ、ㄎ、ㄏ、ㄐ、ㄑ、ㄒ、ㄗ、ㄘ、ㄙ、ㄚ、ㄜ、 ㄛ、ㄞ、ㄠ、ㄢ、ㄣ、ㄤ、ㄥ、ㄧ、ㄨ】

台語専用符号、十八 個: 

 華語専用符号、十個:  【ㄈ、ㄓ、ㄔ、ㄕ、ㄖ、ㄦ、ㄝ、ㄩ、ㄟ、ㄡ】

台語専用常用外符号,四個:

華語専用常用外符号,二個:   

2.2.台湾閩南語羅馬字拼音符号

【台湾閩南語羅馬字拼音符号】(以下”台羅”と簡略)は、十八世紀に外国の宣教師が台湾で布教を始めた際、当時は一般住民の殆どが非識字だったために創り出された記号です。ローマ字による表音記号は台湾閩南語のみならず、客家語、シラヤ語、各種の先住民の言語及び中国各地の方言やヴェトナン語などにもみられます。オランダが台湾を統治した際に、オランダ語を普及しようと試みましたが、当時の住民は福建省から移民した福佬人や広東系客家人が大多数であり、彼らはそれぞれ閩南語や客家語を話していたため定着しませんでした。

3.声調

一般的に台湾語の声調は八つあると言われていますが、実際は七つです。それは第二声(陰)と第六声(陽)が重複していることが理由で、覚えやすいように八つとされています。但し、漳州腔、泉州腔、廈門腔ではそれぞれ抑揚高低が異なります。例えば:漳州腔、廈門腔は一種類の上声しかなく、陰陽によって分けることはしません。;泉州腔は去声について陰陽の区別なく、;潮州腔は八つ全てを備えており、比較的古い形式を残しています。 声調記号は下記の通りです:

第一声:陰平調-高平調,中国語の第一声(陰平)に近い。

第二声:(陰)上声調-高降調,中国語の第四声(去声)とほぼ同じ。

第三声:陰去調-低降調,中国語の第三声(上声)の前半とほぼ同じ。

第四声:陰入調-低短調。

第五声:陽平調-中升調,  中国語の第二声(陽平)と第三声(上声)の中間調,第二声(陽平)に近い。

第六声:第二声と同じ。(陽)上声調-高降調。

第七声:陽去調-中平調,中国語にない声調です。 【韻尾が-ㄅ、ㄉ、ㄍ、ㄏ-で終わる声調を入声と呼びます】:二種に分けます。

第八声:陽入調-高短調。

軽声:短く発音されるため、高低変化は殆どありません。

【注】(一)調値は趙元任による五度制字母式声調符号標調法に基づく。

   (二)(2)と(6)は陰、陽上声であり、同一声調である。

3.1. 入声

第四声と第八声は台湾語特有の声調で、【入声】といいます。これは現代中国語にはない声調です。中国語の古音には入声がありましたが、それらはすべて四声の中に併入されました。日本語では「促音」と呼ばれます。音節の最後は子音の(ㄅ、ㄉ、ㄍ、ㄏ- p, t, k, h)で終わり、その中でも、(ㄅ、ㄉ、ㄍ - p, t, k ) で終わるのが促音で、(ㄏ- h )で終わるのが喉塞音です。

4.字形

台湾語は文字をもたず、文字表記する場合は台湾華語の漢字を当て字にしたり、上記の【台湾閩南語注音符号】や【台湾閩南語羅馬字拼音符号】を用いて表記したりします。台湾語に関する文献を探すと、日本統治時代の文献が多く見つかります。それは、戦前に台湾語を漢語によって記録した文献が乏しく、当時は日本語による台湾語研究が主だったとも言えるでしょう。領台初期に渡台した日本人には、軍人、役人、教師、警官、民間人等が含まれ、このうち役人、教師、警察は公的な立場の人々であり、台湾語についてある程度の習得義務もありました。民政局学務部主導のもと、発音表記制定、教本作成、辞書編纂、学習機関の設置などが行われ、多くの台湾語教師、研究者、通訳などを輩出しました。これら日本統治時代に残された日本語による文献は、戦後の台湾語研究に於いても重要なものであり続けました。

台湾訛りの中国語

台湾華語はあまり巻き舌を使わないことで知られています。またzh,ch,shからhの音が抜けてz,c,sとして発音されることがあり、特に台湾語をよく話す人はfの音をhで発音したりします。これらはいずれも台湾閩南語の影響を受けていることが考えられます。台語注音符号を見てもわかるように、華語専用符号、十個:【ㄈ、ㄓ、ㄔ、ㄕ、ㄖ、ㄦ、ㄝ、ㄩ、ㄟ、ㄡ】の中に上記の音がすべて入っています。他にも、台湾華語と普通語では使う単語が違ったり、文法の言い回しが微妙に違うなどといった点が挙げられますが、今回は台湾語を話す人々が変化させた発音のみに着目して例をいくつか挙げました。

まとめ

オランダ時代以前の台湾にはマレーポリネシア系の住んでおり、南島語が主でした。その後17世紀頃までには福建閩南地域や広東地域からの移民も定住し、オランダ、スペインの入植、鄭成功時代を経て、清の時代になると当時の政策で中国本土からの移民が増えました。その後、日本統治時代、蒋介石の中華民国政府時代があり、現在の台湾となりました。
このような歴史背景から、台湾の高齢者の中には、台湾語しか話せない、台湾語と日本語は話せるが台湾華語が話せないという人がいます。また、客家語を話す人々や先住民の言葉を話す人々もいます。その下の世代からは、ほとんどの人が台湾華語と台湾語の両方を使えます。そして、現在でも若者の多くが個人差があるとは言え、台湾語を一定レベルで理解し、彼らの日常生活の中には台湾語があります。
台湾語は北京語に比べて音調が多く、促音などもあるため、外国人が学ぶにはハードルが高いように思えるかもしれません。しかしながら、その土地の文化を知るきっかけにもなります。そしてなにより、現在中国語を勉強している方が、閩南語の音調も学んだ時に詠む、古代中国語の漢字はまた一味違った美しい響きになることでしょう。

参考文献

《臺灣閩南語羅馬字拼音方案使用手冊》教育部 中華民國 97 年 12 月

《新編台灣閩南語用字彙編》教育部公告 台語注音符號–台語羅馬拼音 對照 吳昭新編著

《台湾閩南語”共”の歴史的変遷》林愷胤 東京大学中国語中国文学研究室紀要 第18号

《日治時代初期渡台日人眼中的台湾語》樋口靖 台湾文学研究 第8期2015年6月 Taiwan Literature Studies No.8, June 2015. 頁碼:043~096

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